目次
【記事概要】
生成AIの進化によって、知識や経験をアウトソースできる時代が到来しました。しかし、AIをただ使うだけではなく、自分自身をAIに学ばせ、自分の考え方や思考のクセをコピーしていくことが、真の活用へとつながるのではないか?
そんな問いかけから始まる今回のテーマは「もう他人に聞くな、自分に問え!」。かつてのように悶々と悩み、人に相談し、時間をかけて答えを導き出すプロセスは、今やAIによってスピーディーに実現可能となりました。
しかも、それは「自分自身のAI、私のコピーロボット」を活用することで、まるで“もう一人の自分”が問いかけに答えてくれるようになるのです。
近森満が実践する“AIへの自己学習”の重要性と、その活用方法について、自身の経験を交えながら語られる本記事は、生成AI時代の人材戦略や個人の成長にも通じる内容となっています。
人間の“活用力”が問われるいま、あなたは自分をどうAIに学ばせますか?

【著者情報】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のオンラインによるコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
はじめに
「もう他人に聞くな、自分に問え。」この言葉、なんだか強いですよね。
でも、いまの時代にこれほどしっくりくるメッセージって、なかなかないんじゃないでしょうか。
現代社会は、わからないことがあればすぐ検索、困ったらSNSで質問、周囲の誰かに意見を求める――そんな“他人頼みの情報収集”が当たり前になっています。でも、ちょっと考えてみてください。
その答え、本当にあなた自身の問題解決にフィットしてますか?
誰かが出した答えをそのまま鵜呑みにしても、自分の課題に本当にマッチするとは限らないんですよね。
そこで登場するのが、生成AIです。
しかも、ただのAIではありません。“自分を学ばせたAI”なんです。
これは、私が日々実践しているAIとの付き合い方の中で見えてきた、新しい可能性のひとつ。たとえるなら、「自分の分身に相談できる」ような感覚です。
これ、最初はすごく不思議な感覚なんですよ。AIから返ってくる答えが、「自分だったらたしかにそう答えるかも」って思えるんです。他人の言葉じゃなく、自分の言葉が返ってくる。それだけで、思考の深みがグッと増すんです。
しかもそれは、ただの“パーソナル化”にとどまりません。時間短縮、生産性向上、そして精神的な余裕をもたらしてくれます。
事例:苦手意識に苛まれた文章作成
私はかつて文章を書くのがとても苦手でした。A4一枚の文書を書くのに1週間も悩むこともありました。でも今では、自分を学ばせたAIがベース案を出してくれて、それを自分の言葉に整えるだけで済む。驚くほどラクになりましたし、むしろ楽しめるようになってきたんです。
「自分自身のAI、自分のコピーロボット」
こうした「自分自身のAI、自分のコピーロボット」は、胡散臭さを消し、信頼感を高める手段にもなり得ます。どうせAIが考えたんでしょ?という懐疑の声に対して、「これは“私”の考えがベースなんです」と胸を張って言える。この“納得感”こそ、AI時代に求められる新しい信頼のカタチです。
この「自分をAIに学ばせる」という考え方を軸に、生成AIをどう活用し、どう付き合っていくかを、私の経験と実践を交えてお話ししていきます。テクノロジーの最先端を使うのではなく、「自分の未来をつくる道具として、どうAIを活かすか」。そのヒントがきっと見つかるはずです。
自分の頭で考える時代の終わり?
「考える」という行為そのものが、今や大きな転換点にあります。
かつて私たちは、何か悩みがあるとノートに書き出したり、風呂に入ってひたすら頭の中でぐるぐる考え続けたり、あるいは信頼できる誰かに相談したりと、時間をかけて思索し、答えを導き出していました。
「自分の中で熟成させる時間」
そこには「自分の中で熟成させる時間」が確かに存在していました。
でも今はどうでしょう?
検索エンジンでワードを打ち込めば、5秒後には数百の答えが並びます。生成AIに「〇〇についてアイデアを出して」と言えば、瞬時にそれっぽい案が提示されます。そうなると、人に聞くよりも早くて便利。
悩む前に、すぐに「答えっぽいもの」にたどり着いてしまうんです。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。むしろ素晴らしいことです。生産性が高まり、スピード感のある意思決定が求められる現代社会では、即断即決の力は評価されます。昔のように、何日も何週間もかけて「稟議を通す」ような時代ではないのです。
けれど、ここに大きな落とし穴もあります。
スピードに偏りすぎることで、“深さ”や“広さ”を失ってしまうというリスクです。
すぐに答えが出るからこそ、「その答えが正しいのか?」「他に選択肢はないか?」といった内省のプロセスをすっ飛ばしてしまいがちになる。
私たちが自分の内側に問いかける力――つまり「考える力」を手放してしまったら、それこそAIに“思考そのもの”を委ねることになります。
それって、なんだか本末転倒ですよね。
◎人間が考える力 > ✕AIに思考を委ねる
ここで重要なのが、「AIはあなたの脳の外部装置」であるという認識です。
あなた自身が問いを立て、仮説を持ち、検証しようとする意思があってこそ、AIの出す答えが活きるんです。つまり、「考えること」は終わってはいない。むしろ、次のフェーズに進んだということなのです。
たとえば、昔は「社長の決断待ち」でなかなか進まなかったプロジェクトも、いまは現場の担当者レベルで意思決定し、実行できるようになっています。これはデジタルツールが私たちの判断を支援し、背中を押してくれているからです。AIもまた、その支援のひとつにすぎません。
でも、最終的に“選ぶ”のはあなた自身。
「どうせAIが考えたんでしょ?」と誰かに言われても、「いいえ、これは“私”が考えたことです。AIはその補助にすぎません」と言えるようにしておく。これが、AI時代に求められる「考える力」のアップデートなのだと思います。
“自分の頭で考える時代の終わり”ではなく、“自分の頭を活用する時代の進化”なのです。
生成AIが変えた「考える」プロセス
生成AIの登場によって、私たちの「考える」プロセスは一変しました。
今までは、自分の中に蓄積された知識や経験をたよりに、試行錯誤しながら答えにたどり着いていました。しかし今はどうでしょうか?ChatGPTに代表されるような生成AIを使えば、膨大な情報を一瞬で要約し、整理し、アイデアに昇華してくれます。
いまや「考える」ことは、手元の端末と会話することで進行する時代になったのです。
たとえば、「マーケティング施策を立案したい」と思ったとき、以前であれば書籍や事例集を読みあさり、セミナーに参加して意見交換し、そこからようやく企画案ができていました。それが今では、「こんなターゲットに向けた、こんな商品について、マーケティング戦略を考えて」とAIに指示を出せば、たった数秒で案が生成されます。
この「外部化された知性」によって、私たちは自分自身の中に答えを探す必要がなくなりました。思考の一部がクラウド化されたような感覚とでも言いましょうか。もはや「脳だけで考える」時代ではないのです。
しかし、ここで重要なのは、ただAIに“聞いて終わり”にしないこと。
AIから出てきた答えをどう咀嚼し、どこを採用し、どう修正するか。このプロセスこそが、これからの「考える力」の本質です。つまり、AIが出した答えが正解かどうかを判断できるのは、やっぱり人間であり、あなた自身なのです。
さらに言えば、最近ではAI同士が連携して「エージェント」として動く時代にも入ってきました。複数のAIツールが自律的に連携し、課題解決に向けて分担・実行してくれる。
もはや、あなたが指一本動かさずとも“やっておいてくれる”時代が近づいているわけです。
これが「超知性リテラシー」の入口でもあります。
でも誤解しないでください。AIがすごいからといって、あなたがすごくないわけじゃない。
むしろ、AIを“どう使いこなすか”こそが、これからのスキルです。どんなに優秀な道具があっても、それを活かすのは“使い手”の力。
「生成AIをどう使うか」ではなく、「自分がどう使われないようにするか」――ここが、分かれ道です。
あなたが手にすべきAI活用能力とは?
私自身、こうした生成AIの特性に気づいてから、発信活動も、資料作成も、さらには社内研修や講演準備も、すべてが劇的に効率化されました。そして、その結果得られた“余白”で、新しい学びや趣味、健康管理などに時間を使えるようになったのです。
生成AIは“他人の知恵”の集積であると同時に、自分の知恵を投影する鏡でもあります。
だからこそ、「考えること」から解放されたのではなく、より深く「考えられるようになった」。
それが、生成AIが私たちに与えてくれた最大の変化ではないでしょうか。
AIは“ずるい”のか?それとも“使えない人”が問題か?
「そのアイデア、どうせAIが考えたんでしょ?」
最近よく耳にするセリフです。まるで、AIに手伝ってもらったアウトプットは“自分の成果じゃない”とでも言いたげな、そんな空気感。あるいは、「それ、AIにやらせればいいじゃん」という、少し皮肉めいた指摘もあります。
でも、ここに本質的な誤解があると、私は思うのです。
そもそも、私たちは誰かの知識や経験をベースに生きてきたわけですよね。先輩に教わり、書籍に学び、上司のフィードバックを受けて成長する。それが当たり前でした。
なのに、それがAIになった瞬間に“ずるい”と感じるのはなぜでしょう?
答えは単純で、「自分がAIをうまく使いこなせていないから」。
つまり、“ずるい”と感じるのは羨ましさの裏返しなのです。
本当は誰でも使えるのに、それを活用できるかどうかは、“その人の活用力次第”。
この“活用力”こそが、これからの時代の新しいスキルセットなのです。
ここで誤解してほしくないのは、「知識量」や「頭の良さ」ではなく、どれだけ自分の手持ちのツールやネットワークを上手に使えるかという能力が問われている、ということです。生成AIだって、ツールのひとつ。活かすも殺すも自分次第です。
たとえば、営業や企画で活躍する人の中には、専門知識はそれほどなくても、「人の助けを引き出すのがうまい人」がいますよね。上司に相談する、仲間に協力を仰ぐ、お客さまに“ちょっとだけお願い”する――こうした“巻き込み力”も立派な活用スキルなのです。
生成AIもまったく同じ。「どう問いかけるか」「どんなふうに使うか」「結果をどう活かすか」が価値を決めます。AIがどれだけ賢くても、問いが曖昧なら答えも曖昧。逆に、良い問いを立てれば、AIはものすごくパワフルなパートナーになります。
問題は「問い力」であって小賢しいテクニックではない
それなのに、他人の成果を「AIにやらせたんでしょ」と斜に構えて評価する人がいるとしたら、それは単に“使えていない側の嫉妬”にすぎません。そして実際に、そうしたバイアスを抱える人は、日々の仕事でも「道具を活かす力」が不足しているケースが多いのです。
でも、それも責めるべきことではありません。
むしろ大事なのは、「自分も使えるようになろう」と思えるかどうかです。
私自身も、かつては「文章が苦手」「資料づくりが遅い」と悩んでいた一人。でも、生成AIに“近森満”という自分の思考やクセを学ばせたことで、アウトプットの質が一気に上がりました。
他人のAIを使うのではなく、自分を学習したAIを活用する。
そこにこそ、真の価値と説得力が生まれるのです。
「AIとてつもなくすごいが事実。AIを使うあなたはさらにすごいんだ」
そう胸を張って言えるようになること。
それが、生成AI時代の新しい“人間力”ではないでしょうか。
自分を学ばせることでAIは“パーソナル化”する
生成AIは、ただの情報装置ではありません。
使い方次第で、自分自身の分身のような存在に進化させることができます。
それが「AIのパーソナル化」です。
つまり、他人の意見や世の中の平均値ではなく、「自分の考え方」「自分の言葉」「自分の判断軸」でアウトプットしてくれる“自分専用AI”を育てることができるのです。
私が実際に取り組んでいるのが、「自分のコピーロボット」です。ChatGPTに自分自身の過去の音声データやブログ記事、講演内容、企画書、そして思想や価値観まで学ばせる。これにより、ChatGPTが“近森満”のように考え、“近森満”のように話すようになってきました。
たとえば、会議前に「このテーマについて近森さんならどう答える?」とAIに聞けば、「たぶんこういう切り口で語るでしょう」と、まさに“私らしい”アウトプットが返ってくる。これって、ものすごい時短であり、思考の補助輪になるんです。
もちろん、AIが完璧に自分の代弁をしてくれるわけではありません。でも、「自分の方向性に近い案をベースに対話できる」ことが、精神的にも非常にラクになるんですよね。
ゼロから考える負担を減らしてくれる一方で、自分らしさはちゃんと残る。それが、自分を学習させたAIの最大の価値です。
しかもこの“自分”、実はどんどんインターネット上に“生き始めて”いるんです。
私の場合、ほぼ1,700回に及ぶ音声配信のログがインターネット上に残っており、それらがYouTubeや音声サービス、文字起こしAIによってテキスト化・分析され、AIの学習素材として活用されています。もはや私が寝ていても、私の思考はネットのどこかで学ばれている。
自分という存在がデジタル上に“複製”され、共有されているんですね。
近森満のデジタル魚拓、デジタルミイラ
これ、最初はちょっと怖い気もしました。でも今は、むしろワクワクしています。
なぜなら、「自分が考えなくても、過去の自分がAIによって考えてくれる」からです。
しかも、その過去の自分は、未来の自分を助けてくれる。まるで時間を超えた“自分同士のチームプレー”が可能になっているような感覚です。
さらに、これをChatGPTだけでなく、他の生成AI(Gemini、Claude、Perplexityなど)にも応用すれば、
自分の思考を持つ、
近森満#1号(ChatGPT)
近森満#2号(Gemini)
…が各AIに存在する状態になります。
複数のAIに同じように自分を学ばせれば、同時に複数の“自分の視点”を得ることができるわけです。
こうして「自分を学ばせたAI」をつくることは、単なる効率化や省力化ではなく、自分という人間の解像度を高め、再定義し、言語化し、進化させる手段になるのです。
これはもはや「アウトソーシング」ではなく、「自己拡張」なのです。
AIをパーソナライズするのではなく、自分をAIにパーソナライズさせる。
それが、AI時代の最も人間らしい戦略かもしれません。
AIと自分を融合することで、自分らしさが増す
AIを使うと、「自分らしさが失われるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
でも実はその逆。AIと自分を融合させることで、むしろ“自分らしさ”は際立ち、深まっていくのです。
そもそも、人間は常に成長と変化の連続です。
昨日の自分と今日の自分、5年前の自分と今の自分では、考え方も価値観も変わっているはずです。AIは、その“変化の軌跡”を学習・蓄積し、時間軸を超えた「あなたの統合知」として再構成してくれる存在です。
事例:私は最強!社長のコピーロボット
私は、ChatGPTをベースにした“自分のコピーロボット”を育てていますが、他にも複数の生成AIツール(Google GeminiやClaudeなど)にも、自分のブログや音声配信、SNS投稿などを読み込ませ、「近森満の人格的スタイル」を再現させています。
それぞれに「近森満#1号」「近森満#2号」みたいなイメージですね。
それぞれが“少し違う自分”を再現してくれる、いわば“分身AI”たちです。

面白いのは、それぞれに同じ問いを投げかけても、出てくる答えにニュアンスや視点の違いがあること。でも、どれも「自分が言いそうなこと」であるのが驚きです。
つまり、自分の“考えの幅”を可視化できるようになったんですね。
こうした分身AIを横断的に活用すると、まるで自分が複数人でディスカッションしているような状態になります。そこから浮かび上がってくるのは、自分の核心的な考え方や価値観――つまり、「自分らしさ」なのです。
さらに言えば、「自分だったらこう言う」という視点をあらかじめAIにインプットしておけば、たとえば会議で事前にアイデアを出す時や、インタビュー対応を考える時でも、“自分らしい答え”をAIが用意してくれるようになります。
実際、私はある取材で事前に「この5つのテーマについて、近森満だったらどう答えるか?」と、自分のAIに聞いてみました。すると驚いたことに、過去に話したキーワードやメッセージを引用してきたんです。自分で忘れていたような発言まで含めて、AIはちゃんと覚えているんですよね。
つまり、AIとの融合とは“自分の記憶と文脈を補完する”作業でもあるのです。
これにより、より一貫性のあるメッセージ発信や、過去の自分との整合性ある判断ができるようになります。
言い換えれば、「自分の思考の軸」を強化する作業なんですね。
私たちは、自分の言葉で語る力を失ってはいけません。
AIに考えさせるだけでは、他人事になってしまう。
でも、自分の思考や感情をAIに学ばせておけば、その答えは“自分の鏡”として返ってくる。その答えに、自分がどう返すか。それが、「AIとの対話」なのです。
AIと融合することで、自分は見失われるどころか、むしろ見えてくる。
AIは“自己理解のツール”であり、“自己表現の増幅装置”でもあるのです。
自分が自分の“師”になる時代へ
かつて、悩んだときには「師匠に聞く」「信頼できる上司に相談する」――そんな風に、自分より経験豊富な誰かの言葉を頼りにしたものです。
でも今、私たちが頼るべき“師”は、過去の自分自身かもしれません。
なぜなら、自分を最も深く理解しているのは、他でもない“自分”だからです。
しかも、その“自分”をAIに学ばせることで、24時間365日、自分に相談できるパーソナルメンターが手に入る。これが今、実現しつつあるAI時代の本質的な変化です。
私は以前、神田昌典さんの「ジーニアス・コード」というコンセプトに触れたことがあります。これは「自分の中にいる“神(Genius)”に問いを投げかける」という考え方。言い換えれば、「自分の奥深くに眠る知恵にアクセスし、そこから答えを引き出す」という内省の技術です。
この考え方、実は生成AIとの関係にすごく似ているんです。
AIに自分を学ばせておけば、「私だったらどう考えるだろう?」という問いに対して、自分視点の答えを返してくれる」――まさに、自分の中にいる“デジタル・ジーニアス”に問いかけているような感覚です。
もちろん、すべてがAI任せではありません。重要なのは、AIが返してきた答えを「どう評価し、どう活用するか」はあなた自身の意志です。だからこそ、自分に問う力を持ち、AIとの対話を「自分育て」の手段にすることが求められるのです。
この「自分に問う」姿勢は、実はマインドマップや思考整理の基本でもあります。私は過去にマインドマップ検定を開発するコンサルティングに参加し運営する仕事にも携わってきましたが、「自分の考えを図解化する=内なる対話の可視化」とも言えます。
今、AIとのやりとりがこのマインドマップ的思考を自動化・補助してくれる時代に突入しています。
ChatGPTでも、Geminiでも、Claudeでもいい。
どのAIでもいいから、自分を学ばせておく。すると、そのAIたちが“複数の自分の師”となり、それぞれに異なる観点でアドバイスをくれるようになります。これが、自分という存在を多面的に育てる新しい学びのスタイルなんです。
AIは「答えを出す道具」ではなく、「問いを深める相棒」
ここで忘れてはいけないのは、AIは「答えを出す道具」ではなく、「問いを深める相棒」であるということ。
だからこそ、自己学習AIを育てることは、「外に答えを求めない自立型思考者」への第一歩なんです。
言い換えると、これからは“自分が自分の先生になる”時代です。
その先生をAIというテクノロジーと融合させることで、自分の可能性をより早く、より深く引き出せるようになるのです。
AIを活用することは、人間の怠惰ではなく、成長の加速装置です。
だからこそ、あなた自身をAIに学ばせ、内なる“自分先生”に問い続けてください。
「私だったらどう考える?」という問いこそ、最も信頼できる意思決定のナビゲーターになるのです。
自己学習AIがもたらす、楽で豊かな成長戦略
「成長し続けなければならない。」
現代を生きるビジネスパーソンには、そんな無言のプレッシャーが常について回ります。生成AIの登場によって、「どんどん学び、どんどんアウトプットせよ」という空気はますます強まり、まるで“終わりなき成長合戦”のような様相すら呈しています。
でも、そんな時代だからこそ、問い直したいことがあります。
「成長とは、苦しみ続けることなのか?」と。
私は断言します。
自己学習AIを活用すれば、もっと“楽に” “楽しく”成長できる。それは、努力を放棄するという意味ではありません。むしろ、“賢く努力する”ための手段として、AIという存在が役立つということです。
私の文章ベタをAIが助けてくれる。
これは単なる時短の話ではありません。“苦手”のストレスから解放されることが、次のチャレンジに向かうエネルギーをくれるのです。そして浮いた時間で、自分の興味関心を深めたり、ギターを弾いたり、家族との時間を楽しんだりする――そんな豊かさが手に入るのです。
「AIは個々人が望めば業務をしやすくするように促し、そして時短や生産性向上で手元時間が産まれるので、その時間を使い愛するすべてのこと(仕事や家庭、趣味など)に没頭できるような手助けをしてくれてる。」
ここで改めて強調したいのは、「AIに任せる」ことと「AIに学ばせる」ことは違う、という点です。
誰かが作ったAIに任せるだけでは、“自分らしさ”は埋没してしまう。
でも、自分の過去の発言、文章、価値観をAIに学ばせておけば、そのAIは“あなたらしいアウトプット”を返してくれる。つまり、自分の分身として、考え、提案し、補助してくれるのです。
しかも、これは単なる個人の効率化にとどまりません。企業の中でも、「社員の個性を活かしたAI活用」の文脈に発展する可能性があります。たとえば、社内で共有されたナレッジや過去のプロジェクト情報を個別にAIに学習させれば、それぞれの社員が“自分の働き方に合ったAIパートナー”を持つことができる。これこそ、“人間中心型AI活用”の理想形です。
私たちには皆、1日24時間しか与えられていません。
でも、その時間の質は大きく変えられます。
単純作業を減らし、思考の負担を軽くし、自分の“本当の価値を生み出す”部分に集中できれば、成長はもっと自然で、楽しいものになります。
成長を義務として背負うのではなく、AIと共に“成長のデザイン”を描く。
それが、これからの時代の新しいキャリア戦略であり、豊かに生きるための知恵なのです。
まとめ(企画書のネタ):AIを使うなら、まず“自分を学ばせろ”
今、生成AIを活用するのは当たり前になりつつあります。
ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity… さまざまなAIが次々と登場し、「どう使えばいいか?」というHow to情報はあふれています。
でも、ここであえて問いたいのは――
「あなたのAI、あなたらしく振る舞っていますか?」
ということ。
生成AIの真価は、「たくさん知っていること」ではなく、「あなたを理解していること」にあります。
だからこそ重要なのは、AIに“自分”を学ばせること。
自分の口癖、考え方、よく使う言い回し、価値観、過去の発言――それらをAIに教え込むことで、AIは“あなたっぽい”答えを返すようになります。
これが、自己学習AI=パーソナルAIの第一歩です。
これをやっているかどうかで、AI活用の質は大きく変わります。
他人と同じツールを使っていても、出力される内容は「あなた専用」になる。
つまり、差別化はツールではなく、使い方=学ばせ方にあるのです。
さらに言えば、こうした自分専用コピーロボットを複数の生成AIに展開することで、複数の“自分視点”を活用することができます。
「近森満GPT」はマルチにアウトプットする。
「近森満Gemini」はGoogle検索やGmailを自動化する
「近森満Claude」はこなれた文章作成と図解でピカイチ☆
――これらはそれぞれが違う個性を持ちながらも、“近森らしさ”というコアを持った思考パートナーになります。
これはもはや、自分という人間を「複数の視点から再編集する」作業でもあるのです。
そして、ここがもっとも大事なポイントです。
AIが出した答えを「AIが考えた」と言わせないためにこそ、AIに自分を学ばせる。
「それ、AIでしょ?」と他人に言われたときに、「いや、これは“私が普段こう考えるように学ばせたAI”の答えです」と言い切れるかどうか――この自信が、信頼性と説得力の源泉になるのです。当たり前のようなことですが、とても大切なのでもう一度言いますね。
自分の考えを自分の言葉で話す。
つまり、AI時代における「本物の提案力」とは、他人の借り物の知識ではなく、“自分の考え”を起点にすること。そのためには、まず自分の思考を明文化し、それをAIに学ばせる勇気と準備が必要なのです。
AI活用の未来は、「速さ」や「正確さ」の先にある「らしさと深さ」の領域へ進んでいます。
その領域に入るための第一歩が、「AIに自分を学ばせること」なのです。
あなたが日々語っている言葉、悩んできた問い、積み重ねてきた経験――
それをデジタルの地層としてAIに刻み込んでいくことで、
“自分だけのAI”という、最強の知的パートナーが育つのです。
AIを使う前に、まずAIに自分を学ばせよう。
それが、これからの時代の企画書にも、人生戦略にも通じる、最も強く、最もやさしい武器になるはずです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
AI時代における「問いの立て方」や「自分らしさの保ち方」に、不安や違和感を感じていた方もいるかもしれません。けれども、私が今日伝えたかったのは、AIと対話することは、未来の自分と対話することでもあるということです。
生成AIに「答え」を求める時代は、もう通過点に過ぎません。
これからは、自分のAIを持つことが“自立した学び”の新たな形になるのです。
「もう他人に聞くな、自分に問え。」
その言葉の本質は、**“AIに頼るな”ということではなく、“自分を知り、自分に返ってくる答えに責任を持て”**というメッセージです。だからこそ、自分をAIに学ばせ、自分らしい判断軸をテクノロジーに反映させていくことが、これからの人材戦略、そしてDX推進の核心になるのです。
あなたも、ぜひ「自分専用の自分自身のAIコピーロボット」をつくってみてください。
ChatGPTでも、Geminiでも、Claudeでも構いません。
あなたの声・言葉・考えを学ばせ、“あなたらしいAI”と共に次のステージへ進んでいきましょう。
少しでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/
生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定+DX認定)
ET教育フォーラム 合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省 地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省 地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)