
米xAIは2月19日(現地時間)、同社最新のAIモデル「Grok 3」の無料開放を開始した。同社の公式Xアカウントにてユーザーに向けて告知しており、無料開放期間は「サーバーがダウンするまで」としている。
「Grok 3」は、イーロン・マスク氏率いるxAI社が開発したAIモデル。マスク氏が「地球上で最も賢いAI」と謳う最新モデルで、数学・科学・コーディングの各分野において「GPT-4o」シリーズや「DeepSeek-R1」、「Gemini 2.0 Flash Thinking」といった競合他社モデルを上回る推論性能・パフォーマンスを発揮するという。
「Grok 3」の利用は、本来有料で「X Premium+(プレミアムプラス)」(Web経由で月額6,080円)プランへの加入が必要だが、今回の期間は無料で利用できるようになる。既存の「X Premium+」および「SuperGrok」サブスクユーザー向けには、音声モード(Voice Mode)などの高度な機能への早期アクセスが開放される。
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こんにちは、IT・DX教育サービスを提供する株式会社サートプロの近森満です。
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イーロン・マスク率いるxAIがGrok-3を無料解放!その狙いとは?
イーロン・マスク氏が率いるxAIが開発した「Grok-3(グローク3)」が無料解放されるというニュースが、AI業界で大きな話題となっています。Grok-3は、「地球上で最も賢いAI」とxAIが豪語するほどの性能を持ち、今回の無料開放は多くのAIユーザーにとって注目すべき出来事です。しかし、なぜxAIはこれを無料化したのか?そして、実際の性能は競合と比べてどれほど優れているのか?本記事では、その背景と実力を詳しく分析します。
主要AIとの比較:Grok-3 vs. ChatGPT vs. Gemini vs. Perplexity
現在、市場には複数の高性能な生成AIが存在し、特に以下の3つがGrok-3の主要な競合とされています。
①ChatGPT(OpenAI)
②Gemini(Google)
③Perplexity
これらとGrok-3を比較するため、Deep Reserch機能を筆者自身が同じプロンプトを用いてそれぞれのAIをテストしました。
実験例:入力したプロンプト
近森満という人物について調査してください。生い立ち、活動などIT業界で長年働いているようですが、その際の実績や経歴、人となりや、どのようなポリシーやパーパスを持っているかなど、人物像がよくわかるようにまとめてください。
結果は以下の通りでした。

分析結果:
・ChatGPTは最も詳細な出力を生成し、正確な情報提供ができる。
・Grok-3は情報量が多く、表形式で整理されているが、学習精度に課題がある。
・Geminiは簡潔でわかりやすいが、情報の深さはChatGPTに劣る。
・Perplexityは情報の要約に優れるが、ボリュームが少ない。
なぜXAIはGrok-3を無料解放したのか?
元々Grok-3は「Xプレミアムプラス(月額6,080円)」の加入者向けに提供されていました。しかし、XAIは突然無料解放を決定。その背景には、以下の3つの狙いがあると考えられます。
① X(旧Twitter)のエコシステム強化
XAIはXの一部であり、Xのユーザーエンゲージメントを高めるために無料提供した可能性があります。
② 市場シェア拡大とブランド価値向上
OpenAIやGoogleに対抗するため、まずは多くのユーザーにGrok-3を試してもらい、認知度を高める戦略。
③ AIの学習データ拡充
無料解放することで、多くのユーザーが利用し、より多くのフィードバックデータを集めることができる。
これにより、XAIは競争力を高め、将来的に有料プランへの誘導を狙っている可能性があります。
生成AIの未来:AGI(汎用人工知能)とASI(超知能)への進化
Grok-3の登場と無料解放は、AI技術の進化が加速していることを示しています。今後はAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)やASI(Artificial Super Intelligence、超知能)へと進化し、人間の知的能力を超えるAIの誕生が現実味を帯びています。
この「ディープリサーチ戦争」において、XAI、OpenAI、Google、Metaなどの大手企業がしのぎを削っており、今後の展開がますます注目されます。
まとめ:Grok-3の無料化をどう活用するべきか?
現在、Grok-3は無料で利用できる状態にありますが、将来的に再び有料化される可能性もあります。そのため、今のうちに試してみる価値は十分にあります。
特に、以下のようなユーザーにはおすすめです。
・Twitter(X)を頻繁に活用している人
・AIのディープリサーチ機能を試したい人
・表形式で整理された情報を活用したい人
ただし、情報の正確性や学習データの不足による偏りには注意が必要です。現時点ではChatGPT-4 Turboが最もバランスの取れたAIであると考えられますが、Grok-3の進化次第では、今後の主役が入れ替わる可能性もあります。
今後のAI市場の動向に注目しながら、最適なAIツールを選択していきましょう。
参考:
DeepResearch機能の3社比較
良かったらご覧ください。
“ディープリサーチの定義と市場構造 技術的基盤 ディープリサーチ機能は、大規模言語モデル(LLM)にマルチステップ推論能力と拡張検索機能を統合した新世代AIアーキテクチャを基盤です。OpenAIのo1 Pro Deep Research やGoogleのGemini 1.5 Pro with Deep Research など、専用に最適化されたモデルが採用され、平均5~30分の処理時間をかけて数百の情報源を分析します。 市場の二極化 即時応答型(GPT-4o等)と深層推論型(ディープリサーチ)の棲み分けが明確化しています。 前者が日常会話や簡易検索を、後者が学術研究や戦略分析を担う構造が形成されつつあります。 特に金融、医療、政策分析分野での需要が急増しています。”
本記事が皆さまの気づきにつながれば幸いです。
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【著者情報】
近森 満(ちかもり みつる)
株式会社 サートプロ 代表取締役CEO(人材育成・教育支援)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定+DX認定)
ET教育フォーラム 合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省 地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省 地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
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